着物は日本に古くから伝わる伝統衣装です。そのため、自由なアレンジが難しいと思っている人もいるでしょう。しかし、実は意外と簡単にアレンジができます。アレンジのポイントは和洋折衷を意識すること。普段自分が好きで着ている洋装スタイルを取り入れたり、逆に普段はやったことのないスタイルをプラスしたり、アイデア次第でいろいろなアレンジが可能です。ここでは、簡単にできるアレンジ方法から、上級者向けのアレンジ方法まで、幅広く着物のアレンジ方法を紹介します。
着物のアレンジは小物から
着物はたくさんの小物を使いながら着付ける必要がありますが、この小物をアレンジすることで着物姿の印象は大きく変わります。ここからは、着物を着るときに必要な小物で叶えるアレンジ方法をご紹介します。
帯締めの色や結び方を変える
帯締めは、帯を上から押さえるために付ける小物です。身体の中心にくる小物でもあり、着物姿でも目立ちやすいため、色や結び方を変えるだけでも着物姿の印象を変えることができます。例えば着物や帯の色と合わせて帯締めの色を考えるのも良いでしょう。また、リボンや花の形をイメージしながら結ぶなど、自由な結び方を楽しむのもありです。

半衿をアレンジする
半衿は顔周りにある小物です。顔を見るたびに目に入る部分なので、素材や色を変えたりするだけで着物姿のイメージも変わります。最近では、半衿にパールを縫い付けたり、レースの模様を目立たせたり、個性的な刺繍が施されている半衿も多くあります。手軽に個性をプラスできるので、使用するのも良いでしょう。ただし、着物のイメージに合わない半衿を使うと、着物スタイルの中で印象がちぐはぐになってしまいます。全身のバランスを考えつつ、イメージを崩さない半衿を選びましょう。
足袋を変える
着物を着るときは通常、白い足袋を履きます。しかし、白以外の足袋でも大丈夫です。例えば色柄のある足袋に変えれば、一気に足元が華やかな印象になります。この場合も、足袋だけが着物姿から浮かないよう、着物の色や柄に合わせた足袋を選ぶのがポイントです。
バッグを変える
特にクールなイメージの着物であれば、バッグを洋風のクラッチバッグに変えるのも素敵なアレンジです。バッグが着物のシャープな雰囲気をより際立たせます。持つだけでおしゃれに決まるので、誰でも試せます。革素材やエナメル素材のものなど、着物のイメージに映えるバッグを選びましょう。
帽子やカチューシャをプラスする
帽子やカチューシャなど、ヘアスタイル周りの小物をプラスするのも、簡単にできるアレンジの1つです。半衿の項目でも述べた通り、顔に近い部分の小物は、着物全体の印象に大きく影響しやすいため、つくりたいイメージに合ったヘア小物で一気に印象を決めるのもありでしょう。ベレー帽などの帽子をかぶる、カチューシャをする場合、ヘアスタイルも、三つ編みでおさげにするなど、ヘア小物の雰囲気に合わせるとスタイルのまとまりが良くなります。

草履ではなくブーツやハイヒールを履く
着物と言えば靴は草履が基本です。しかし、履物を変えることでも着物姿の印象が変わります。例えば草履ではなくブーツを履くなどは、もはや王道アレンジかもしれません。着物の色柄がモダンなものであれば、より取り入れやすいアレンジです。大正ロマン風の雰囲気がつくれます。また、ハイヒールやローファーといった靴に合わせる人も。その際は、レースなどの柄が入ったストッキングや靴下を合わせると、モダンスタイルが簡単に演出できます。他にも、スニーカーを合わせるアレンジも見られます。着物をカジュアルに着こなしたいときにマッチします。ただしラフになり過ぎないよう、着物の色とスニーカーの色を合わせる・大人っぽいデザインのスニーカーを選ぶなど意識すると良いでしょう。
着物のイメージを大きく変えるアレンジ
着物は日本の伝統衣装ですが、そこに洋服の要素を取り入れることで和洋折衷のアレンジができます。大胆なアレンジを加えることで、さらに幅広い着物の楽しみ方ができるでしょう。「アレンジするのは難しいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが大丈夫。ちょっとした工夫をするだけで叶うアレンジもあります。ここからは、簡単にアレンジできるものから、おしゃれ上級者のアレンジまで、着物のイメージを大きく変えることができるアレンジ方法を紹介します。
インナーとしてブラウスやタートルネックを着る
着物を着るときには肌襦袢や長襦袢が、いわゆるインナーの役目を果たします。この肌襦袢の代わりに、衿元が印象的なブラウスやタートルネックを着るとぐっとイメージを変えられるでしょう。着物の衿元からのぞく洋服のネックはとてもモダンかつ個性的。まさに和と洋がミックスされたスタイルになります。また、インナーを洋服にすることで、防寒対策にもなります。おしゃれを楽しみながら寒さを防げて一石二鳥です。
ペチコートやスカートを合わせる
着物の裾の部分を大胆にアレンジする方法もあります。例えば着物の裾を短めに調節した上で、肌襦袢の代わりにペチコートやスカートを履き重ね着すると、また印象が変わります。スカートはロングで、チュール素材やレース素材のものを合わせると、かわいらしいアレンジになるでしょう。スカートをプラスすることで、袴のようなモダンさが演出できます。身長が伸びてお気に入りの着物の着丈が短くなってしまったという人、家族からもらった着丈の短い着物をおしゃれに着こなしたい人など、着物を長く着たいという場合にもおすすめです。
帯締めを革ベルトにする
そもそも帯締めは帯の上に結ぶベルトのようなもの。そこで、普段洋服を着るときに使用しているような細い革ベルトなどを帯締めの代わりに使うと、着物姿がギュッとしまります。ポイントにしたいのはバックル。ちょうどバックルが帯留と同じような役割になります。帯留は帯の中心にくるものであり、着物姿のアクセントになる小物です。バックルも凝ったものにすると、よりイメージが変わるでしょう。ただし、ベルトの素材や結び方によっては、帯を傷めてしまう可能性もあります。帯を始め、着物や着物に使う小物はデリケートです。アレンジの際は、帯や着物が傷つかないよう、十分注意してください。

着物アレンジのコツは和洋折衷
着物はヘアスタイルから足元まで、全体的なコーディネートが重要です。何か1つ変えるなら、それに合わせて全体的なアレンジが必要です。だからこそ着物のアレンジは無限大で、アイデア次第でいろいろ楽しめます。また、アレンジのコツは和の着物に洋服の要素をプラスすること。いつもの洋服スタイルの要素を少し着物にプラスするだけで、印象を大きく変えることができます。ただし、フォーマルな場や正装が求められる場では、アレンジしすぎるのはNG。TPOはしっかりわきまえ、思い思いのアレンジを楽しんでください。