成人式の振袖はレンタルにしようか、購入しようか。悩まれている方もいらっしゃると思いますが、お母様やお姉様が着た振袖(ママ振袖 姉振袖といいます)で出る、という選択肢もあります。では実際に、ママ振袖とは一体どのようなものなのでしょうか。 成人式に着用するために準備しなければならないことや、必要な期間はどのくらいかかるのか。そして、ママ振袖をかわいく着こなすためのコーディネートについて、ここで詳しく説明をします。
ママ振袖とは?
今話題のママ振袖。ママ振袖とは、お母様が成人式の際に着た振袖を、お嬢様の成人式でも着用することを指します。お母様世代の振袖は、現代と比べて品質の良いものが多く、レンタルや購入でお友達とカブることもありません。また、母と子が同じ振袖を着るので想いを共有することができ、成人式全体にかかる費用を抑えられということなどが、ママ振袖が選ばれている理由として挙げられます。
ママ振袖のメリットとデメリット
ママ振袖を着て迎える成人式。前もってどんなことを理解しておけばよいのでしょうか。振袖レンタルや購入ではなく、ママ振袖を成人式に着ることのメリットとデメリットについて、それぞれ項目に分けて詳しく説明します。
- すでに振袖があるのでレンタル代や購入代が抑えられる
- ママ振袖は品質が良いものが多い
- 他の人と柄やデザインがカブらない
- お母様(おばあ様)と想いを共有・きずなが深まる
お母様が成人式に着た振袖と同じ振袖を着て、お嬢様も成人式を祝うことができた、というのは本当に幸せなことですし、将来の良い思い出になりますね。
- デザインが古く感じられる
- 保管状態があまりよくない。染み抜きメンテナンスが必要。
- お母様とのサイズが合わず、直しが必要
振袖の保管状態があまりよくなく、染みやカビがあった場合も、あきらめないで下さい。本文の最後に解決方法を書きました。そちらを参考にしていただければ大丈夫です。
ママ振袖の準備は何をすればいい?
ママ振袖を実際に成人式で着る場合は、どのような準備が必要で、その準備にはどのくらいの時間がかかるのでしょうか。長い間タンスにしまっていることが多いので、着る前にはメンテナンスが必要となる場合がほとんどのようです。以下詳しく説明をしていきます。
ママ振袖の状態を確認
最初に、ママ振袖を広げて状態を確認しましょう。長い間収納されていたので、まずは以下の点についてチェックをしてみましょう。
- シミができていないか
- シワになっていないか
- 虫食いはできていないか
全体のチェックが終わったら、次は衿元や袖下の部分、膝のあたり(前身頃)も良く確認してみましょう。刺繍のほつれは出ていないか、裏地にもシミがでていないか、防虫剤のニオイが染みついていないか、カビ臭くはないかなど、細かい部分まで、くまなくチェックすることが大切です。
もし振袖にシミやシワが見つかった場合は、専門店にクリーニングに出すことで綺麗になります。振袖の素材は正絹が使われているものが多いため、アイロンなども取り扱い方によっては縮んでしまうこともあるので要注意です。ほつれについても専門店ならばメンテナンスをしてくれます。
尚、着物のクリーニングには次の2種類があるので、それぞれの違いを説明します。
振袖・着物のクリーニングの種類と違い
丸洗い
丸洗い(まるあらい)は、着物の状態のままで丸ごと洗うクリーニング方法です。洗い張りと違い反物に戻さないので、期間も比較的に短かく、料金もお安めで行うことができます。
※丸洗いは一部手作業ではない工程も含むため、着物によってはできない場合もあります。詳しくは専門店に確認をしましょう。
洗い張り
洗い張り(あらいはり)は、着物をほどいて反物に戻して洗うクリーニング方法です。汚れがすみずみまで取れて振袖本来の光沢や風合いが蘇ります。反物に戻して再度仕立て直しもできるので、サイズを変更することもできます。丸洗いと比べ期間も長く料金も高くなります。
ママ振袖のサイズを確認
今の10代の女性は腕も足も長い方が多く、振袖の身丈(肩から裾までのサイズ)は大丈夫でも裄丈(肩幅と袖幅足したサイズ)が足りないことが多いようです。その場合には専門店で仕立て直しを行えば、お嬢様にピッタリのサイズにすることができます。また、専門店によっては仕立て直しとクリーニングを一緒に行ってくれる店舗もありますので、お母様とお嬢様のご身長が10センチ以上違っている場合には予め仕立て直しを計画しておくとよいでしょう。
小物の確認
ママ振袖を着るのに必要な小物が揃っているか確認しましょう。
振袖以外に必要な物は以下になります。
帯(袋帯)、帯揚、帯締め、長襦袢、半衿、衿芯、伊達衿、腰紐 伊達締め、帯枕、帯板、三重紐、ワンピース肌着(肌着・裾除け)、 白足袋など、着付けに必要な小物は揃っていますでしょうか。特に三重紐をお持ちでないお母様が多くいらっしゃるようです。
更には草履 バッグ ショール 髪飾りなどの装飾品も必要になります。草履は鼻緒が劣化していたり、底がはがれていたりすることもあります。それぞれの状態をしっかりとチェックをしておきましょう。足りない物や、状態がよくないものなどは準備を整えましょう。帯など、購入するとなると高額になるものもあります。足りない物だけレンタルをするというのもオススメの方法です。
ママ振袖の準備はどれくらいかかる?
ママ振袖の準備に必要な期間はどのくらいなのでしょうか。
振袖の状態チェックを行い、クリーニングが必要であれば2~3ヶ月はかかります。サイズの仕立て直しが必要な場合は、更に2~3ヵ月(洗い張りも同時に行った方が良いことも多いため)かかります。その上、振袖を着るのに足りない物の準備や手配があったり、前撮りのことを考えたりすると、1年前には準備を始めた方が良いでしょう。クリーニングや仕立て直しは専門店によってその期間が異なりますので、やはり余裕を持っての行動をオススメします。
ママ振袖をかわいく着るためのコーディネートのポイントは?
ママ振袖を着ることにしたけれど「古い感じにならないかな?」と心配の方もいると思いますが、お嬢様の雰囲気に合わせて、小物を今風のものに替えてコーディネートするだけで、ママ振袖をかわいく、オシャレ感をアップして着こなすことができます。
帯
体の中心に配置され、後ろ姿の重要なポイントとなる帯。今の流行りの色・柄に変えるだけで着姿全体の雰囲気もガラリと変わってオシャレなコーディネートが可能になります。帯は呉服店や振袖専門店にて購入もしくはレンタルできますが、いずれも必ず振袖を持参し、実際に合わせてバランスを見てコーディネートを行うとよいでしょう。(Webでレンタルするという方法もありますが、やはり実際にプロにアドバイスをもらい、客観的な意見も参考にして選ぶことも大切です)
半襟
最近の半衿は美しい刺繍が施されていたり、ラメでキラキラしていたりするものなど多彩なラインナップがあります。衿が華やかになると、お顔周りがまったく違った印象になります。肌の色に合わせて、お好きなものをチョイスしましょう。振袖を着ている時の気持ちもアップしますよ。
帯締め
ママの成人した頃と比べて、装飾が華やかに、そしてかわいく多彩に変わったのが帯締めです。パールなどの装飾をはじめ、つまみ細工などがあしらわれ豪華な飾りがついたものも人気があります。帯の中心に入るため、小物アレンジ・コーディネートのポイントとして取り入れたいですね。
ママ振袖での成人式出席は将来の大切な思い出に
いかがでしたか?
ママ振袖で成人式に着ると、お母様の成人式の時のことなどを親子で話すことができたり、写真を見比べたりして良い思い出になります。しっかり準備をすることで、新しく購入したり、レンタルしたりする振袖には無い付加価値も生まれます。
ママ振袖についてわからないことや、仕立て直しやクリーニングについてご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。